深呼吸の大切さを知る

1月に入試がある埼玉県と千葉県の私立中学は、2月からが入試解禁となる東京・神奈川の子どもたちに、お試し受験として利用されることが多い。進学するつもりはないけれど、本番の入試の雰囲気や緊張感を体験して、2月の本命校の受験に備えようというものだ。我が家は埼玉に近い東京なので、もし本命の中学が不合格だった場合、公立中学進学を回避するために、その埼玉の学校に通うことになるかもしれない。そのつもりで子どもは、第二志望として選んだ学校を受験した。

試験当日、塾の公開模試に行く時とはまるで違い、試験会場までの道のりは、目的地が近づくに連れ、親子共々、どんどん緊張が増していくものだった。ずっとうつむいて座っていたのでなんだか頭が重くなってしまい、目的地について車から降りたところで、子どもに声をかけ一緒に深呼吸をした。冬の朝のすんだ空気を肺いっぱいに取り込むと、後頭部のあたりがスッキリするような感覚を覚えた。それは子どもも同じだったようで、受験生と保護者が試験会場と保護者控室に分かれる直前まで、私たちは深呼吸を繰り返した。

その日の受験は見事合格。子どもが言うには、問題を解いている間にも、手ごわそうな問題にぶつかった時にまず深呼吸をしたらしい。苦手分野が出てきた時にもまず深呼吸をすると、そこで少し落ち着くことができ、繰り返し解いた過去の問題などを冷静に思い出し、まっすぐ取り組むことができたのだそうだ。お試し受験での成功体験が子どもの受験を更に後押しするかたちとなり、2月の本命校も無事合格。もちろん本命校の受験時にも、深呼吸は忘れなかったらしい。脳に新鮮な空気を送る深呼吸の大切さを知った出来事だった。